映画に感謝を捧ぐ! 「さらば恋の日」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマリオ・ボロニーニ監督の

 「さらば恋の日」に感謝を捧げようと思います。

さらば恋の日 [DVD] - ジーナ・ロロブリジダ, パウロトゥルコ, マリオ・ボロニーニ
さらば恋の日 [DVD] - ジーナ・ロロブリジダ, パウロトゥルコ, マリオ・ボロニーニ

 エルコレ・パッティの小説「美しい11月」を

 もとにして作られた本作は

 俗物性、技巧性、メッセージ性が交錯する青春映画であります。

 性的に奔放すぎる大人の女と性的に純真な少年の交流によって

 生成された複雑怪奇で危険な男女関係を

 ロマンス、サスペンス、ホームドラマを融合させたストーリーと

 ポルノ的お色気、幻惑的映像技、絵画的風景美

 叙情的音楽を駆使した演出によって描いていくという試みは

 私に「イタリア的家族主義」の魅力&暗部と

 上品さと男性的欲求が独特のバランスで共存する現象の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (和やかなハッピー・エンドに潜む危険要素と

 文学的な邦題が「皮肉の刃」と化す光景が

 印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「イタリア流愛憎系青春映画」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 日常の営み&小道具を利用した性的且つ神秘的な映像と

 暴力&犯罪とは無縁の日々を描きつつ

 背徳的な方向へと向かっていくストーリー展開が

 最高級の相性で結ばれた本作と 

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。