映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・タンゴ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヘルマン・クラル監督の「ラスト・タンゴ」に
感謝を捧げようと思います。
アルゼンチンのタンゴ・ダンサー
「マリア・ニエベス&フアン・カルロス・コペス」に
ついて記録した本作は
現実と創作の間で踊る記録映像であります。
「M・ニエベス&J・カルロス・コペス」+彼らを取り巻く人々の語りと
タンゴ・ダンサー達によって創作された
「二人の物語」を交錯させるという技法は
私に、ドキュメンタリー風味とショー風味が独特のバランスで
共存する映像作品と
芸道の世界に生きる人々の思いを後世に残す試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(絵画的美しさと「宴の後」的渋味が
絡み合う幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「タンゴ・ダンス史&偉人伝創作入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
舞台劇とドキュメンタリーの醍醐味を兼ね備えた映像技と
状況設明を極限まで抑制し
当事者達の「言葉」に重きを置く手法によって
「M・ニエベス&J・カルロス・コペス」の
華やかで壮絶な生き様を写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。