映画に感謝を捧ぐ! 「シャンプー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はハル・アシュビー監督の「シャンプー」に
感謝を捧げようと思います。
シャンプー [DVD] - ジュリー・クリスティ, ウォーレン・ベイティ, ゴールディ・ホーン, ハル・アシュビー
美容師「ジョージ」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
スター主義とメッセージ性が
バランス良く配合された恋愛劇であります。
複数の女性とロマンスを楽しむ日々を
満喫していた男が
性衝動&人間関係の制御に失敗する事によって
愛する人を失ってしまうという悲劇を
主演男優W・ベイティのアウトロー風味
H・アシュビー監督の繊細さ
女優陣の魅力を最大限に生かしながら描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「人生&愛」をゲーム感覚で扱おうとする人間の
危うさ&虚しさを映画的に表現する試みと
出演者&作り手の持ち味に即した作劇法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと悲劇的決着が静かに交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「1970年代型心理迷宮系恋愛劇」の
称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。
恋愛劇の王道、1970年代の世界を覆う反権威文化
アメリカ映画的スター主義の融合によって
華やかで虚しいロマンスを生み出した本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。