映画に感謝を捧ぐ! 「生活の設計」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエルンスト・ルビッチ監督の
「生活の設計」に感謝を捧げようと思います。
生活の設計 [DVD] - フレデリック・マーチ, エルンスト・ルビッチ
ノエル・カワードの同名戯曲をもとにして作られた本作は
品格と大衆性が絶妙のバランスで配合された
恋愛喜劇であります。
過剰なまでに魅力的&奔放な女と
彼女に魅了され、振り回させる男たちの運命を
暴力&性的な部分を巧みに抽象化しつつ
軽やかに描いていくストーリー&演出は
私に「男女関係」における平和維持の難しさと
芸術性と娯楽&ビジネス性のせめぎ合いを
映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「性別を超えた友情&芸術家と支援者の関係」に
関する一考察を示すかのような気配を放つ
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「喜劇系男女関係&芸術論」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
愛憎劇的人間模様をユーモア精神を失うことなく
進行させる喜劇力と
舞台劇と映画の持ち味を生かし合うバランス感覚によって
後年の恋愛系娯楽作品に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。