映画に感謝を捧ぐ! 「特集社会面」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマーヴィン・ルロイ監督の
「特集社会面」に感謝を捧げようと思います。
ギャング映画 コレクション 暗黒街の顔役 DVD10枚組 ACC-230 - エドワード・G・ロビンソン, マリアン・マーシュ, ハンフリー・ボガート, コンラート・ファイト, カーレン・ヴェルヌ, ジェームズ・キャグニー, メエ・クラーク, メアリー・アスター, アン・シェリダン, ジェフリー・リン, ロレッタ・ヤング, バーバラ・オニール, フローレンス・マーリー, マーヴィン・ルロイ, ヴィンセント・シャーマン, ロイ・デル・ルース, ルイス・セイラー, アレクサンダー・ホール, スチュアート・ヘイスラー, ジョン・G・ブリストーン, ウィリアム・A・ウェルマン
ルイ・ワイツェンコーンの同名戯曲を
もとにして作られた本作は
過激にして巧妙な報道劇であります。
ビジネス的思惑によって20年前の殺人事件を掘り起こし
関係者に対する「同意なき取材」を強行するによって生成された
新聞記事が招いた悲劇を通じて
ジャーナリズムとビジネス、組織の論理と個人の良心
過去の過ちと現在の人生によるせめぎ合いを
描いていくという試みと
娯楽映画的見せ場作りの均整を保ちながら進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「マスコミ」の暗部、自制なき商業主義の恐怖
犯罪の間接被害を映画的に表現する手法と
娯楽的サービス精神と風刺劇的メッセージによる共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの装飾を纏いつつ
苦味を利かせた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級報道論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし映画的効率主義&見せ場主義を維持しながら
現代にも通じる「情報化社会の魔性」に迫るという
離れ業に挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。