映画に感謝を捧ぐ! 「地獄の狼」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルフレッド・L・ワーカー監督の
「地獄の狼」に感謝を捧げようと思います。
ハリウッド西部劇映画傑作シリーズ 地獄の狼 [DVD] - デイル・ロバートソン, アルフレッド・L・ワーカー, エドマンド・グレンジャー, フレデリック・ハズリット・ブレナン, デイル・ロバートソン, ヴァージニア・メイヨ, スティーヴン・マクナリー, アーサー・ハニカット
1890年代のアリゾナで発生した事件を
もとにして作られたとされている本作は
豪快にして変化球的な実話系?西部劇であります。
「時代の変化に翻弄される人々の思い」と
「犯罪と戦う人間が抱えるリスク」を
西部劇+刑務所映画的に表現することに挑んだ
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「西部劇ヒーロー」に対する皮肉と
王道を的確に押さえつつ、実験的試みを行う作劇法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪的ハッピー・エンドの中に
ワンマン・ヒーロー礼賛に対する皮肉を宿す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「西部劇型正義&時代論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
娯楽映画的スリル&サスペンスを維持しながら
武闘主義と法治主義のせめぎ合い、刑務所内における人間心理
リーダーの精神が不安定化していくことによって
穏健な計画が暴力的な方向へと変質していく恐怖を写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。