映画に感謝を捧ぐ! 「ブロンド・ヴィーナス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の
「ブロンド・ヴィーナス」に感謝を捧げようと思います。
ブロンド・ヴィーナス [DVD] - マレーネ・ディートリッヒ, ジョセフ・フォン・スタンバーグ, マレーネ・ディートリッヒ, ハーバート・マーシャル, ケーリー・グラント, S・K・ローレン, ジュールス・ファースマン, バート・グレノン, W.フランク・ハーリング, ジョン・レイポルド
女優「ヘレン・ファウラー」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
J・V・スタンバーグ監督&M・ディードリッヒ組の持ち味と
娯楽映画的サービス精神が最高級の相性で結ばれる事によって
生を受けたホームドラマであります。
大いなる美貌&才覚+強靱なる精神&運気故に
波瀾万丈の人生を歩むことを余儀なくされたヒロインと
彼女に魅了され、翻弄される男たちの生き様を
人情劇+恋愛劇的見せ場を的確に押さえつつ
M・ディードリッヒの魅力を最大限に発揮する事を追い求めた
ストーリー&演出、キャラクター造形によって
写し出していくという試みは
私に「年齢&階級の枠を超えて男たちを魅了する女性像に
説得力を与える」
「適正なスケール感&スピード感を維持することによって
物語&映像の浮世離れ感を抑制し
現実味のある作品世界を生み出す」技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(愛憎劇的な方向に向かうと見せかけて
人情劇的和やかさを保ち続けながら
ハッピー・エンドへと着地する事によって
サスペンス映画的どんでん返しとは一味違う
心和む驚きをもたらす幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「女系人生道中劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
家族劇、恋愛劇、逃亡劇、舞台裏映画、暇つぶし映画的効率主義
スター主義の醍醐味が絶妙のバランスで並び立つ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。