映画に感謝を捧ぐ! 「イカリエ-XB1」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はインドゥジヒ・ポラーク監督の
「イカリエ-XB1」に感謝を捧げようと思います。
イカリエ-XB1 [DVD] - ズデニェク・シュチェパーネク, フランチシェク・スモリーク, インドゥジヒ・ポラーク
宇宙船「イカリエーXB1」の乗務員&ロボットたちの
運命を描いた本作は
渋味、神秘性、技巧によって後年のSF映画を導く
記念碑的作品であります。
「宇宙船」という閉鎖空間内における人間心理
宇宙の持つ無機質感、様々なトラブルとの遭遇
見世物的特殊効果が融合したストーリー&演出が
状況説明的でありながらも謎めいた雰囲気を感じさせる
語り口と共に進行する光景は
私に「連続的に訪れる危機&深まっていく謎」を
技巧的且つクールに描いていく試みと
人間味と機械的冷静さが複雑に絡み合った世界の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(主人公一行&宇宙船の最終局面を抽象化し
鑑賞者に考えさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学型宇宙系SF」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
小規模映画会社的省力&倹約性と大作的ハッタリ
娯楽的スリル&サスペンスと文学的語り口を
独特のバランスで共存させることによって
後年の「2001年宇宙の旅」などに通じる神秘性&純文学性を
宿す存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。