映画に感謝を捧ぐ! 「Rain レイン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマイケル・メレディス監督の
「Rain レイン」に感謝を捧げようと思います。
ヴィム・ヴェンダースpresents Rain [DVD] - ピーター・フォーク, ドン・メレディス, マイケル・サントロ, エリック・アヴァリ, ライル・ラヴェット, マイケル・メレディス, マイケル・メレディス, ピーター・フォーク
アントン・チューホフによる複数の短編作品を
もとにして作られた本作は
静かなる迷宮感に満ち溢れた日常劇であります。
クリーヴランドで暮らす人々の
陰鬱且つ危険な3日間を交錯させ
娯楽的盛り上げを極限まで抑制しながら描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、純文学的神秘性と推理小説的複雑さが
独特のバランスで共存する世界と
「雨」が人間の生活&精神に与える悪影響を
映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(様々な不安要素を匂わせつつ、
登場人物と距離を置こうとするかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性迷宮型日常劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
平穏さの中に「悲劇の種子」を宿す日常を
複雑且つクールに表現する作劇法、映像技、編集技によって
鑑賞者の精神&脳機能に挑むかのような本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。