映画に感謝を捧ぐ! 「SF白い恐怖」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェロルド・フリードマン監督の
「SF白い恐怖」に感謝を捧げようと思います。
SF白い恐怖 (日本語吹替収録版) [DVD] - ロバート・カルプ, イーライ・ウォラック, マイケル・C・グウィン, ジェロルド・フリードマン
雪山に作られた宇宙研究所に派遣された
科学者2人の運命を描いた本作は
穏やかにして冷酷な恐怖に彩られた
閉鎖系SF映画であります。
舞台となる空間、登場人物数、状況設明
暴力描写、特殊効果を極限まで抑制しつつ
怪奇+異常心理劇的スリル&サスペンスを作り出すという
難題に挑む精神&技術によって世に送られたストーリー&演出は
私に、暇つぶし映画的効率主義と風刺劇的メッセージ性の
両立を図るバランス調整術と
映像的迫力に依存しない恐怖&狂気造形の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(人間の傲慢さ&科学者的狂気に対する警鐘と
ハッピー・エンドと悲劇が表裏一体の存在であることを
静かに示した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級空間限定型SF」の究極形態を
感じさせる作品であると言えるでしょう。
SF的ハッタリと空間限定映画的閉塞感
暇つぶし映画気質と文学&風刺性が
共存可能であることを世に示すことによって
後年のSF、ホラー、サスペンスに対する
「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。