映画に感謝を捧ぐ! 「特急二十世紀」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はハワード・ホークス監督の
「特急二十世紀」に感謝を捧げようと思います。
特急二十世紀 [DVD] - ジョン・バリモア, キャロル・ロンバード, ウォルター・コノリー, ロスコー・カーンズ, ジョセフ・オーガスト, ハワード・ホークス, ハワード・ホークス, ベン・ヘクト, チャールズ・マッカーサー, ジョン・バリモア
チャールズ・ブルース・ミルホランドの戯曲を
もとにして1934年に作られた本作は
硬軟兼ね備えた強豪H・ホークス監督と
スタッフ&キャスト陣に宿る「喜劇力」と
芸術性&娯楽ビジネスに対する複雑な思いに
彩られたドタバタ喜劇であります。
舞台劇と映画の持ち味を巧みに共存させ
台詞を多用しながらも説明過多に陥るのを防ぐバランス感覚
段階的にスケール感を抑制していく知略
適性範囲のスケール感、スピード感
愛憎劇+異常心理劇的状況を喜劇的に加工する技術が
融合したストーリー&演出、キャラクター造形と
俳優&女優陣の軽妙且つ上品な熱演が一体となって
才覚に恵まれながらも情緒不安定な
舞台作家&女優の無器用な愛を写し出していく光景は
私に「創作者&演技者に潜む魔性」・「ショー・ビジネスの光と闇」
「舞台劇と映画の複雑な関係」を映画的に表現する試みと
汽車の持つ物語的可能性を最大限に引き出した
映像作品作りの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ロマンスよりも「仲間感」の強い男女関係を
舞台裏映画的に描写した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「舞台裏映画+空間限定型恋愛喜劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
滑稽さと哀愁、人情と狂気、芸術性と商業性、男性心理と女性心理
会話によるユーモアと動作によるユーモアがせめぎ合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。