映画に感謝を捧ぐ! 「Tulip」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はレイチェル・グリフィス監督の「Tulip」に

 感謝を捧げようと思います。

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 R・グリフィス監督の祖父母時代の実話をもとにして作られた本作は

 軽やかなる文学性を感じさせる実話系ホームドラマであります。

 妻を失ったことによる哀しみ&生活苦を抱えながらも

 

 残された日々を生きようとする男の姿を

 

 状況設明的表現&娯楽的盛り上げに背を向け

 静かに写し出していくストーリー&演出は

 私に「映像」で語ることを追求することによって

 鑑賞者の想像力を刺激する手法と

 ユーモアと哀愁が独特のバランスで共存する

 光景の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (穏やかでありながらも哀しい日常が

 続くことを暗示させる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「純文学+日常系陰性ホームドラマ」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 極限まで抑制されたスケール感の中で

 滑稽さと哀しさ、幻惑感と素朴な風景美

 クールさと人情味が交錯する本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。