映画に感謝を捧ぐ! 「Tulip」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はレイチェル・グリフィス監督の「Tulip」に
感謝を捧げようと思います。
アメリカン・ショート・ショート 2000スペシャルセレクション [DVD] - オムニバス・ムービー, オムニバス・ムービー
R・グリフィス監督の祖父母時代の実話をもとにして作られた本作は
軽やかなる文学性を感じさせる実話系ホームドラマであります。
妻を失ったことによる哀しみ&生活苦を抱えながらも
残された日々を生きようとする男の姿を
状況設明的表現&娯楽的盛り上げに背を向け
静かに写し出していくストーリー&演出は
私に「映像」で語ることを追求することによって
鑑賞者の想像力を刺激する手法と
ユーモアと哀愁が独特のバランスで共存する
光景の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(穏やかでありながらも哀しい日常が
続くことを暗示させる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学+日常系陰性ホームドラマ」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
極限まで抑制されたスケール感の中で
滑稽さと哀しさ、幻惑感と素朴な風景美
クールさと人情味が交錯する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。