映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・ドア」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルナ・グアラーノ監督の

 「ラスト・ドア」に感謝を捧げようと思います。

  

ラスト・ドア [DVD] - アントニオ・バンノ, シディ・ディオップ, アワ・コウンドウル, パピ・モマル・ディオップ, シーク・ドーダ, ルナ・グアラーノ
ラスト・ドア [DVD] - アントニオ・バンノ, シディ・ディオップ, アワ・コウンドウル, パピ・モマル・ディオップ, シーク・ドーダ, ルナ・グアラーノ

 大量発生したゾンビに翻弄される

 人々の運命を描いた本作は

 ゾンビ系ホラー史上屈指の

 静かなる奇策性を感じさせる怪作であります。

 ゾンビ系ホラー的残酷描写&戦闘描写を抑制し

 極限状態における人間心理と

 イタリアにおける異人種対立に重きを置いた

 ストーリー&演出、キャラクター造形が

 MTV的表現法を挟みつつ陰鬱に進行する光景は

 私に「省力的且つ風刺的なゾンビ系ホラー」生成術の一形態と

 米ドラマ「ウォーキング・デッド」がホラー映画界に

 与えた影響の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (サスペンス映画的どんでん返しと

 ゾンビ系ホラー的虚しさが絡み合う

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型ゾンビ系ホラー式イタリア社会講座」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 ゾンビ系ホラー的人体破壊&暴力を

 最小限度に留めようとする大胆さと

 予算、人員、空間を節約しつつ 

 危機的状況&異人種との共同生活が

 人心に与える影響に迫ろうとする生真面目さを

 兼ね備えた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。