映画に感謝を捧ぐ! 「バックコーラスの歌姫たち」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はモーガン・ネヴィル監督の
「バックコーラスの歌姫たち」に感謝を捧げようと思います。
バック・コーラスの歌姫たち [DVD] - ミック・ジャガー, ブルース・スプリングスティーン, スティング, スティーヴィー・ワンダー, ダーレン・ラヴ, メリー・クレイトン, リサ・フィッシャー, ジュディス・ヒル, モーガン・ネヴィル
アメリカで「バック・シンガー」として活動する人々に関する
情報の一部を記録した本作は
陽気さと渋味、史劇的壮大さとマニア気質が
絡み合う記録映像であります。
その歌唱力によって「スター」の輝きを高めながらも
影の存在に徹することを余儀なくされた
人々の勇姿&苦闘を
教材映像+MTV的な表現法で記録映像化することによって
アメリカの社会&芸道史の一端が写し出されていく光景は
私に、記録映像的クールさとアーティストへの愛が
絶妙のバランスで並び立つ現象と
ショー・ビジネスの華やかさと秘めたる冷酷さに
翻弄されながらも己を貫く「歌姫たち」の姿を
後世に伝える試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ライブ」的高揚感を保ちながら
鑑賞者に「しばしの別れ」を告げるかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ歌曲史入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
歴史書に刻まれた「英雄たち」が
様々な裏方陣の技量&献身によって
支えられているという秘めたる真理と
「音楽」の持つエネルギーを象徴する事を
世に知らしめる存在の一つである本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。