映画に感謝を捧ぐ! 「ダンテ01」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマルク・キャロ監督の「ダンテ01」に
感謝を捧げようと思います。
ダンテ01 [DVD] - ランベール・ウィルソン, ドミニク・ピノン, フランソワ・レヴァンタル, リン・ダン・ファン, マルク・キャロ
囚人の治療を目的とする宇宙施設
「ダンテ01」に関わる人々の運命を描いた本作は
軽量にして七変化的なSF映画であります。
宇宙系SF、閉鎖系サスペンス、宗教映画
乗り物系災害映画、刑務所映画の要素を
兼ね備えたストーリー&演出、キャラクター造形が
神秘的且つ陰鬱に進行する光景は
私に「空間的スケール感」を抑制しつつ
多くの物語要素を取り込む実験と
科学と神秘が絡み合う作品世界生成術の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(主人公の正体&末路を極限まで抽象化する事によって
「真実」を鑑賞者の心に委ねるかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性童話系SF」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
ホラー的残酷性、SF的装飾&CG映像、サスペンス的人間模様
風刺劇的メッセージ、おとぎ話的神秘性が一堂に会した本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。