映画に感謝を捧ぐ! 「乱暴者(1953年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルイス・ブニュエル監督の

 「乱暴者(1953年版)」に感謝を捧げようと思います。

乱暴者 [DVD] - ペドロ・アルメンダリス, ルイス・ブニュエル, ペドロ・アルメンダリス, カティ・フラード, ロシータ・アレナス, ルイス・ブニュエル, ルイス・アルコリサ
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 アパートの住人を退去させるために

 雇われた男「ブルート」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 変化球的目線に彩られた極道系日常劇であります。

 極道映画において「敵役」として扱われる存在を

 主要人物として扱うという発想によって生を受け

 暴力、愛憎、人情を絡み合わせながら

 進行していくストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に、強靱な肉体に凶暴且つ繊細な魂を

 宿してしまった人間の悲劇と

 「行いと報い、男性心理と女性心理の関係」を

 映画的に表現する試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇性と狂気性、壮絶さと虚しさが静かに交錯する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「極道系精神&肉体論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 冷酷な権力者に立ち向かう大衆の物語と

 凄まじい豪腕、無器用な愛、盲目的な忠誠心によって破滅へと誘われていく

 男の悲劇が交錯する本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。