映画に感謝を捧ぐ! 「乱暴者(1953年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルイス・ブニュエル監督の
「乱暴者(1953年版)」に感謝を捧げようと思います。
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アパートの住人を退去させるために
雇われた男「ブルート」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
変化球的目線に彩られた極道系日常劇であります。
極道映画において「敵役」として扱われる存在を
主要人物として扱うという発想によって生を受け
暴力、愛憎、人情を絡み合わせながら
進行していくストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、強靱な肉体に凶暴且つ繊細な魂を
宿してしまった人間の悲劇と
「行いと報い、男性心理と女性心理の関係」を
映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇性と狂気性、壮絶さと虚しさが静かに交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「極道系精神&肉体論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
冷酷な権力者に立ち向かう大衆の物語と
凄まじい豪腕、無器用な愛、盲目的な忠誠心によって破滅へと誘われていく
男の悲劇が交錯する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。