映画に感謝を捧ぐ! 「狼よさらば」
映画感謝人GHMです。
今回はマイケル・ウィナー監督の「狼よさらば」に感謝を捧げようと思います。
妻を殺され、娘を傷つけられた主人公が
暴力に魅入られる姿を描いた本作は
悪人退治の快感と社会派メッセージを融合させた
異色の復讐劇となっております。
最初は恐る恐る暴力を行使していた主人公が
悪人顔負けの冷徹さで殺人を犯していくようになっていく過程と並行して
主人公を英雄扱いする市民の姿を描いていく手法が実に素晴らしく
正反対の存在であるはずの「正義」と「悪」が
実際には紙一重の存在なのではないか?との思いを
私にもたらしました。
「暴力」というものの二面性をこれほどまでに鮮明に打ち出した作品に出会うことは
きわめてまれな事なのではないかと感じます。
主人公に対する警察の対応が時と共に変化していく姿を
ある種のユーモアを交えて描いている点も素晴らしいです。
「暴力による心の癒し」という恐るべきブラック・ユーモアを
復讐劇に盛り込むという素晴らしい発想力を見せてくれた本作に深い感謝を!!!。