映画に感謝を捧ぐ! 「深夜の告白」
映画感謝人GHMです。
今回はビリー・ワイルダー監督の「深夜の告白」に
感謝を捧げようと思います。
ジェームズ・M・ケインの小説「倍額保険」をもとに作られた本作は
「悪」の持つ魅力・引力の強さを感じさせてくれる作品であります。
静かなる悪意・欲望を宿す男女二人が運命的な出会いによって結びつけられ
巧妙にして残酷な犯罪計画へと進んでいく姿を目の当たりにしたとき
私は、「悪」という存在に宿る魅力と
人間の思考に宿る「同類を引き寄せる力」の存在を
感じずにはいられませんでした。
(それでも悪意のみの人物として描かれていないのは
人間すべてに「悪」が存在し、同時に「善」も存在するということを
作り手たちが信じていることの証かも知れません。)
事件に引き寄せられる人々が
善意にあふれた存在とではないのも
「同類を引き寄せる力」のなせるわざなのではないでしょうか。
(エドワード・G・ロビンソン扮する「探偵役」の男が
犯人以上に邪悪な雰囲気を放っているのは
「悪を暴くためには、悪に深く入り込まねばならない」
ことの象徴なのかも知れません。)
邪悪さと魅力を兼ね備えた男女が
二度と戻れぬ「罪の迷路」に迷い込む姿を
美しく描いた本作と
生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。