映画に感謝を捧ぐ! 「狼たちの午後」

 映画感謝人GHMです。

 今回はシドニー・ルメット監督の「狼たちの午後」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1972年に起きた銀行強盗事件をもとにして作られた本作は

 犯罪映画の常識を逆手に取った

 社会派の強豪であります。

 最初のうちは「銀行強盗コンビ」のぎこちない行動を

 苦笑しながら鑑賞していました。

 しかし、時がたつにつれて

 奔放な行動によって人々を賑わせ、警官隊を翻弄する彼らの行動に

 痛快さを感じるようになりました。

 (さらには、アルパチーノ扮するソニーが見せる不器用な「愛」の形に

 心打たれてしまいました。)

 それだけに、ラストシーンを見たときに感じた

 恐怖と悲しみは

 怪奇映画をもしのぐものがありました。

 (正直「教訓的」なラストがこれほどの嫌悪感をもたらすとは

 思いませんでした。)

 S・ルメット監督ならではの「司法不信」感覚と

 70年代のアメリカを冷徹に見つめる視線によって

 生み出された本作と

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。

 そして、今年の4月9日に亡くなられたシドニー・ルメット監督の

 ご冥福を心から祈ります。