映画に感謝を捧ぐ! 「シリアナ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はスティーブン・ギャガン監督の「シリアナ」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 ロバート・ベアの自伝「CIAは何をしていた?」をもとにして作られた本作は

 大胆不敵な「主役不在映画」であります。

 「主人公を中心として世界が動いていく」という映画の定石に逆らい

 登場人物すべてを「作品世界を動かす駒」として扱うという

 恐るべき試みは

 私に他の映画とは異なる恐怖感と現実感をもたらしました。

 (一見すると主演男優に見えるJ・クルーニー

 アカデミー賞助演男優賞を受賞したのは

 本作の「個性」を象徴する光景であると

 いえるでしょう。)

 恐竜の死骸から生まれた「石油」が我々の世界を支配するという

 皮肉な現実と

 歴史において「人間」は駒に過ぎないという残酷さを

 型破りな手法で示した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。