映画に感謝を捧ぐ! 「孔雀夫人」

 映画感謝人GHMです。

 

 今回はウイリアム・ワイラー監督の「孔雀夫人」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 シンクレア・ルイスの小説をもとにして作られた本作は

 残酷な皮肉に包まれた、異色の「悪女映画」であります。

 夫婦の絆を深めるために行った「ヨーロッパ旅行」が

 妻の持つ「悪女的要素」を覚醒させ

 絆の崩壊をもたらしていく姿を

 「残酷喜劇」と「恋愛悲劇」を混ぜ合わせたかのような表現法で描く姿は

 私に残酷にして滑稽な「仮面夫婦関係」が生んだ悲劇を

 見せてくれました。

 (後年の「ローズ家の戦争」に通じる要素を感じました。)

 ある意味本作は「現代の夫婦問題」を先取りした

 作品なのではないでしょうか。

 自分本位でありながら「悪女的知略」に恵まれなかった女性と

 彼女への愛ゆえに「振り回され続ける日々」を続けてしまった男性の姿を

 ユーモアと風格を持って映画化した本作と

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。

 追伸 「東日本大震災」によって亡くなられた方々のご冥福と

 被害地域の一刻も早い復興を祈ります。