映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・テロリスト(2009年版)」

 映画感謝人GHMです。

 今回はウーヴェ・ボル監督の「ザ・テロリスト(2009年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 歪んだ情熱に導かれ「虐殺者」となった

 青年の姿を描いた本作は

 触れた者の精神を揺さぶる「上級者向け映画」であります。

 悪意と混乱に彩られたストーリー

 TVゲーム感覚で作られたアクション・シーン

 細切れ的に浴びせかけられる台詞・映像を駆使して

 「現代的恐怖」を体現しようとする試みは

 私に「モンスター映画」には登場しない「社会的怪物」の存在と

 精神力を超える量で発せられる「情報の嵐」がもたらす恐怖を

 示してくれました。

 (教訓的終幕に背を向けて「理不尽極まるハッピー・エンド」を

 選択している点も見逃せません。)

 まさに「映画技術と現代社会が生んだモンスター」と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 個人的不満と社会的義憤を強引に融合させ

 「究極の偽善」を生み出してしまった主人公の凶行を

 病的なまでの軽快さで描いた本作と

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。