映画に感謝を捧ぐ! 「善き人のためのソナタ」
映画感謝人GHMです。
今回はフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督の
「善き人のためのソナタ」に
感謝を捧げようと思います。
1984年の東ドイツにおける
「国民監視システム」の実態を描いた本作は
静かなる恐怖に満ちあふれた作品であります。
建国当時の理想を失い「巨大な牢獄」と化した国家の姿を
派手なSFXや残酷描写を一切使うことなく描ききった
スタッフ・キャスト陣の精神力と信念は
私に「信なき国家」の醜さと
モンスター映画とは異なる「怪奇描写」の醍醐味に
触れる機会を与えてくれました。
(監視国家の恐怖を描くと同時に
「いかなる力・システムを駆使しようと
人間の「善なる部分」を葬り去ることなど出来ない」ということを
示している点も見逃せません。)
まさに「冷静さと情熱を兼ね備えた」文学映画であると
言えるでしょう。
実在した国家・システムであることを疑いたくなるほどの残酷さと
国家の監視装置として生きてきた人間の「ささやかな抵抗」が
もたらした絆に心打たれる本作と
生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。