映画に感謝を捧ぐ! 「ノックアウト」

 映画感謝人GHMです。

 今回はマック・セネット監督の「ノックアウト」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ボクシング大会に集まった男たちがもたらした

 珍騒動を描いた本作は

 可笑しさと恐ろしさを兼ね備えた強豪作であります。

 サイレント流喜劇の衣をまといながら

 不幸な偶然と場の空気によって増幅していく暴力によって生まれる

 恐怖と混乱を描こうという試みは

 私に「苦味の利いたユーモア」と

 

 「体を張ったアクションならではのスリル」を

 同時体験する時間を与えてくれました。

 (リング上を駆け回って試合を引っかき回すC・チャップリンの勇姿や

 「心の熱気をさますことによって暴力を抑制する」ことを

 象徴する終幕も見逃せません。)

 まさに「喜劇風味の暴力論」であると言えるでしょう。

 後年の映画に影響を与えたアクション・シーンと

 「暴力」に対する鋭い目線が冴え渡る本作と

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。