映画に感謝を捧ぐ! 「奇跡の海」

 映画感謝人GHMです。

 今回はラース・フォン・トリアー監督の「奇跡の海」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 小さな村で愛に生きる女性にふりかかる

 数奇な運命を描いた本作は

 世の恋愛映画・難病映画において美化される行いを

 性悪説的な視点で表現した作品であります。

 事故によって麻痺状態となった男性と

 自らを犠牲にして男性への愛を貫く女性を

 「静かなる狂気を宿した存在」として描くという

 大胆極まる挑戦は

 私に「この世のいかなる存在にも善と悪がある」事を

 再認識する機会を与えてくれました。

 (絵画的美しさを持った映像・主演女優E・ワトソンの神秘性

 破滅的な物語の中に「救い」を与えた終幕が

 本作の文学性を高めている点も見逃せません。)

 まさに「不条理芸術風味の純愛劇」であると言えるでしょう。

 R・V・トリアー監督の流儀が完成される

 歴史的瞬間を見せてくれた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。