映画に感謝を捧ぐ! 「ブリキの太鼓」

 映画感謝人GHMです。

 今回はフォルカー・シュテンドルフ監督の「ブリキの太鼓」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ギュンター・クラスの同名小説をもとにして作られた本作は

 壮絶にしてのどかな作品であります。

 波瀾万丈の人生を歩みながら「童心」を保ち続ける主人公の姿と

 過激な暴力&性描写・ファンタジー要素・ホームドラマ的なムードを融合させながら

 第1次大戦期~第2次大戦期のダンツィヒ情勢を描くという

 超技巧的なストーリー・演出が一体となる光景は

 私に「周辺大国の間を渡り歩く存在の悲哀」と

 「大人社会の暗黒面」を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (子供の無邪気さによって危機に陥る大人の姿を

 ブラック・ユーモア的に表現することによって「子供心の残酷さ」を

 写し出している点も見逃せません。)

 まさに「壮大なる残酷童話」の称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。

 人類の歴史が悲劇であると同時に滑稽劇であることを

 子供感覚に徹しながら描いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。