映画に感謝を捧ぐ! 「ノーカントリー」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョエル・コーエンイーサン・コーエン監督の「ノーカントリー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 コーマック・マッカーシーの小説「血と暴力の国」を

 もとにして作られた本作は

 神秘性と凶暴性がせめぎ合う犯罪映画であります。

 単純明快な争奪戦を複雑怪奇な神話へと進化させた作劇術

 T・R・ジョーンズ・J・バルデム・J・ブローリンの顔力と妖気

 生々しくもクールな暴力描写が一堂に会する姿は

 

 私を「静かなる魅惑と戦慄」に満ちた感覚へと

 誘ってくれました。

 (映画史上屈指の「奇襲性と神秘性に満ちた終幕」も見逃せません。)

 まさに、2000年代を覆う「陰鬱なる空気」と「不条理性」を体現する

 作品であると言えるでしょう。

 犯罪映画史上最大級の「神秘性」を宿す悪役と

 作品世界を支配する「冷徹なる感性」が

 心的重圧となって襲いかかる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。