映画に感謝を捧ぐ! 「ポゼッション」

映画感謝人GHMです。

 今回はアンジェイ・ズラウスキー監督の「ポゼッション」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 妻の気まぐれに翻弄される男の運命を描いた本作は

 映画全体を覆う「つかみ所のなさ」が時間と共に快感へとつながっていく異色作であります。

 夫婦劇と怪奇恐怖劇・不条理文学の間をさまようかのような物語を

 寒々とした色彩、技巧的な映像表現、サスペンス風味の音楽を駆使して描くという試みは

 私を文学的にして猟奇的な「精神的迷宮」へと誘ってくれました。

 (主演女優I・アジャーニの「絵画的怪演」と鑑賞者を不安にさせるかのような終幕が

 作品に神話的ムードを与えているも見逃せません。)

 まさに「文学性と猟奇性が一体化した作品」であるといえるでしょう。

 サスペンス・ホラー・愛憎劇が一堂に会した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。