映画に感謝を捧ぐ! 「コップランド」
映画感謝人GHMです。
今回はジェームズ・マンゴールド監督の「コップランド」に
感謝を捧げようと思います。
警官の町「ギャリソン」の治安を守る保安官の運命を描いた本作は
社会における「本音と建て前の乖離」をえぐり出す
異色の刑事映画であります。
「警官の楽園」と呼ばれる町を守るため
現実から目を背け、町の空気に従っていた男が
己の欺瞞と町を覆う無法に立ち向かう姿を
町の個性を引き出すことにこだわった映像表現と
映画史上まれに見る「静かなるアクション・シーン」を駆使して描くという試みは
私に「70年代の気風と80年代の感覚が交わることによって
90年代が形成された」ことを再認識する機会をもたらしました。
(主演男優S・スタローンの十八番「追い込まれてからの反撃」に
西部劇風味・社会派風味を加えたような主人公の姿
「顔力」にあふれた共演者たち
80年代風ハッピー・エンドに苦味を加えたかのような終幕も見逃せません。)
まさに「陰性のスター映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
1976年のアメリカ映画界に衝撃を与えた男たちと
70~80年代刑事映画の持ち味が一体となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。