映画に感謝を捧ぐ! 「シンドラーのリスト」
映画感謝人GHMです。
今回はスティーブン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」に
感謝を捧げようと思います。
トーマス・キニーリーの実話系小説
「シンドラーズ・リスト 1200人のユダヤ人を救ったドイツ人」を
もとにして作られた本作は
残酷趣味とヒューマニズムが共存する奇妙な歴史大作であります。
ホラー・戦争映画・ポルノに匹敵するほどの残酷さと冷徹さで表現された
暴力&性描写の数々
(「人間の生死が運と情勢に左右される」光景と「人命のはかなさ」を
最も意地悪な形で示しているように感じました。)
白黒映像によって生み出された神秘性
巧妙に仕掛けられた「感動誘発演出」
(おかげで「王道的だと感じる理性を、素直に感動したいという本能が打ち破る感覚」を
体感することが出来ました。)
英雄的要素と「ビジネスマン・道楽者」要素を兼ね備えた人物として描かれた主人公
(実話系映画特有の「美化された主人公」が放つ臭みを
出来る限り緩和しようという配慮を感じました。)
台詞による心理・状況説明を最小限度にとどめ
鑑賞者に「想像の余地」を与えてくれるストーリーが一堂に会する光景は
私に感動・学び・恐怖の入り交じった時間をもたらしました。
(極限状態での交渉術・言葉のもつ力と可能性を
説得力のある形で示している点や
第2次大戦後の国際情勢が本作を「歴史の繰り返し性」と
「学習能力の欠如した人類」に対するブラック・ユーモアと
化している点も見逃せません。)
本作こそ「S・スピルバーグ監督に宿る残虐性・戦略性・良心」を
体現した作品であると同時に
「善行を行うことと善人であることはイコールではない」ということを
説得力ある形で表現した作品であると言えるでしょう。
本作と「ジュラシック・パーク」がほぼ同時期の作品であるという事実によって
S・スピルバーグ監督のスケールと知略を世に知らしめた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。