映画に感謝を捧ぐ! 「折れた矢(1950年版)」

映画感謝人GHMです。

 今回はデルマー・デイヴィス監督の「折れた矢(1950年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 エリオット・アーノルドの小説「ブラッド・ブラザア」を

 もとにして作られた本作は

 勧善懲悪劇とは異なる「スリル」に満ちた西部劇であります。

 人種の壁を越えた平和の望む主人公と仲間たちの思いが

 周囲の疑惑と憎悪に翻弄されることによって生じる「社会派的スリル」と

 西部劇流自然美と恋愛劇の方程式が一体となる事で生まれる「癒し系ロマンス」が

 一堂に会する光景は

 私に「西部劇要素」と「社会派的要素」が互いの魅力を引き立てながら共存する光景を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 

 (「白人優位主義」が支配するアメリカ映画界の中で

 人種的バランスの維持に配慮している点も見逃せません。)

 まさに「反戦系西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 西部劇特有の人物配置を活用して「群集心理の恐怖」・「平和維持の難しさ」

 「人種差別の醜悪さ」を世に訴えた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。