映画に感謝を捧ぐ! 「忘れじの面影」

  映画感謝人GHMです。

 今回はマックス・オフェルス監督の「忘れじの面影」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  ステファン・ツヴァイクの小説「未知の女からの手紙」を

 もとにして作られた本作は

 少女漫画風味とヨーロッパ風味を兼ね備えた恋愛映画であります。

 愛と想像力の赴くままに突き進むタフ過ぎるヒロインと

 彼女を愛し、翻弄される人々の姿を

 品性を失うことなく描くという試みを成し遂げた

 スタッフ陣・キャスト陣の技術力と個性は

 私に「アウトロー的人生をロマンス風に表現する」ことが

 可能であることを示してくれました。

 (アメリカ的ハッピー・エンドに背を向けて、苦味と神秘性のある

 結末へと着地した点も見逃せません。)

 まさに「美しくもパワフルな恋愛悲劇」と呼ぶにふさわしい作品であると

 言えるでしょう。

 変態映画・陰鬱な愛憎劇になりかねない素材を用いて

 華麗なる恋愛ファンタジーを生み出す光景に

 驚きと感心を禁じ得ない本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。