映画に感謝を捧ぐ! 「山河遥かなり」
映画感謝人GHMです。
今回はフレッド・ジンネマン監督の「山河遥かなり」に
感謝を捧げようと思います。
第2次大戦直後のヨーロッパにおける実話をもとにして作られた本作は
子供映画特有の表現法に背を向けた硬派作品であります。
「戦争」に翻弄された少年の数奇な運命を
感動誘発描写・子供の純真さを強調する作劇法
戦争映画的暴力描写をほとんど用いることなく描くという発想力と
「言葉の壁」がもたらすコミュニケーション不全を正面から描く精神力は
私に「純度の高い恐怖と感動」を体感する時間をもたらしました。
(作中に宿る「活劇性」や「ユーモア」が悲劇性を強調する効果をもたらしている点も見逃せません。)
まさに「静かなる怒りと人間への信頼に満ちた」戦後映画であると言えるでしょう。
子供たちを「無垢なる存在」とせず、「大人社会を映す鏡」として表現することによって
「戦争の爪痕」をより鮮明に写しだした本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。