映画に感謝を捧ぐ! 「カッコーの巣の上で」
映画感謝人GHMです。
感謝を捧げようと思います。
ケン・キージーの同名小説をもとにして作られた本作は
外見以上のスケール感と精神力を持った過激作であります。
「精神病院」という限定された空間に生きる人々の姿を通じて
比例的に増幅していく抑圧と反抗心・自由を求めることによって生じるリスク
人間の「ルール」に対する複雑な思いを描くという発想と
自由を求める人間と秩序を求める人間の対立を描きつつ
中立性を保ち続けるバランス感覚によって生み出された物語は
私に「人間社会は善悪では図りがたい領域に達している」ことを
目の当たりにする時間をもたらしました。
(J・ニコルソン&L・フレッチャーと共演陣の「顔力」を生かしたキャラクター造形や
陰性の物語であるにもかかわらず、ユーモアと希望を宿した作りとなっている点も見逃せません。)
まさに「鑑賞者に世界の有り様を問い掛ける」作品の一つであると言えるでしょう。
アメリカ映画史における「考えながら映画を鑑賞する時代」を象徴する1作となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。