映画に感謝を捧ぐ! 「トレーニング・デイ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はアントワン・フークワ監督の「トレーニング・デイ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 麻薬捜査班に配属された新人警官の

 運命を描いた本作は

 娯楽要素と苦味が程よく混ざり合った刑事アクション映画であります。

 刑事コンビ映画の王道から「悪徳と暴力の世界」へ向かう姿を

 冷徹なる目線で描いたストーリー

 (「悪徳警官の敗北」を示しているにもかかわらず

 空しさと空恐ろしさを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 映画的な盛り上げを最小限度にとどめ

 実録的な映像表現を多用することによって

 「町の息吹」を感じさせる映像を作り出した演出。

 (時間経過を示す描写とストーリー展開が最高レベルの調和を果たしている点も

 見逃せません。)

 主演男優D・ワシントンの言葉と肉体を駆使した熱演

 (「善人専門俳優」のレッテルを揺るがすほどの負のオーラを感じました。)

 作品世界の空気に忠実な音楽&挿入曲

 顔力あふれる共演者が一堂に会して「心身ともに危険な1日」を

 写し出す光景は

 私に「1日」という時間が持つ重みと

 映像とストーリーが最高レベルの相性で結ばれる光景を

 堪能する機会をもたらしました。

 まさに「凶暴さとクールさを兼ね備えた刑事映画」であると言えるでしょう。

 犯罪と戦うことが日常となった人間たちを蝕む「心中の魔物」を

 娯楽要素を失うことなく描ききった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。