映画に感謝を捧ぐ! 「ブラッドシンプル」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョエル・コーエン監督の「ブラッドシンプル」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 男女の三角関係から始まった惨劇を描いた本作は

 冷徹にして滑稽な犯罪サスペンスであります。

 人間が持つ「負の感情」が絡み合うことによって生じた混乱を

 闇と光を最大限に生かした映像表現と陰性のユーモアを駆使して描くという試みは

 私に「シリアスな陰謀劇と不条理な笑いが紙一重の位置に存在する」ことを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「状況説明的な台詞」をほとんど用いない作劇法と巧みな情報管理によって

 「ブラック・ユーモア色の強い終幕」を生み出している点も見逃せません。)

 まさに「冷笑系サスペンス映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 後年の「ファーゴ」や「ノーカントリー」にも通じる

 

 「作中人物に対する意地悪な目線」と

 怪奇映画風味の表現法によって現世の理不尽さを写し出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。