映画に感謝を捧ぐ! 「うたかたの恋(1936年版)」

 映画感謝人GHMです。

 今回はアナトール・リトヴァク監督の「うたかたの恋(1936年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 クロード・アネの同名実話系小説をもとにして作られた本作は

 「事実は小説よりも奇なり」を体現した異色の恋愛映画であります。

 社会派風味の幕開けから

 恋愛悲劇の王道「身分違いの恋」へと向かう物語を

 技巧的な映像表現・雰囲気重視の音楽

 浮世離れしたオーラを放つを俳優・女優陣によって

 映画化するという試みは

 私に「正統派映画の醍醐味」と「日常からは想像もつかない世界をのぞき見る楽しみ」を

 

 同時体験する時間をもたらしました。

 (残酷な場面や政治色の強い場面を曖昧に表現することによって

 作品世界の神秘性を保ち続ける配慮がなされている点も見逃せません。)

 まさに「現実の悲劇を劇的に加工する手法」の手本を示した作品であると

 言えるでしょう。

 純粋にして迷惑な恋の行方を

 美しくも悲しい恋愛映画に作り変える技術力が

 ある種の感動を呼び起こす本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。