映画に感謝を捧ぐ! 「セルピコ」
映画感謝人GHMです。
感謝を捧げようと思います。
もとにして作られた本作は
「正義の警官」を冷徹な目線で描いた過激作であります。
組織的腐敗と戦う主人公を非英雄的に描き
腐敗側にも一定の正当性を持たせることによって
鑑賞者を「善悪の垣根が崩壊しつつある世界」へと引きずり込んで行くストーリー
実録的な表現法で「街の空気」を写し出した映像
主演男優A・パチーノの放つ「静かなる熱気」が一堂に会する光景は
私に、「汚職を容認しても社会的弊害はない」という考えと
その考え方に対する強い嫌悪が同時発生する感覚と
カーチェイス・銃撃戦・モンスターとは異なる形状の「恐怖」を
もたらしました。
(「正義の勝利」であるにもかかわらず「ハッピー・エンド」を感じさせない幕切れが
現実が「愉快痛快さの失われた世界」であることを示している点も見逃せません。)
まさに、警察映画史上最大級の「非情さ」を持って
鑑賞者の正義を問う実話系映画であると言えるでしょう。
「状況限定映画の帝王」S・ルメット監督の才気と
70年代のアメリカを覆う「権力&ハッピー・エンドに対する不信感」が力を合わせる事によって
「組織腐敗の公式」を世に示した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。