映画に感謝を捧ぐ! 「外套と短剣」

  映画感謝人GHMです。

 今回はフリッツ・ラング監督の「外套と短剣」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ナチスによる原子爆弾の開発を阻止するため

 米国諜報機関に協力する科学者の活躍を描いた本作は

 スリルと皮肉に彩られたスパイ活劇であります。

 戦争と兵器開発に否定的な立場を取っていた科学者が

 「冒険活劇風味のヒーロー」へと変化していく光景を

 絵画的且つ技巧的な映像・勇壮なる音楽

 スパイ映画&冒険映画の定番要素を網羅したストーリーを駆使して描くという試みは

 私に「環境が人間に与える影響」の一形態を示してくれました。

 

 (1946年の映画でありながら、さりげなく現代の原子力事情を

 先取りしていることも見逃せません。)

 まさに「正義と戦争の持つ洗脳性」と1940年代後半の「アメリカ」が持つ空気を

 体現した作品であると言えるでしょう。

 映画全体を覆う「娯楽映画的軽やかさ」と「連合軍的価値観」が

 快感と空恐ろしさを感じさせる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。