映画に感謝を捧ぐ! 「情婦」

　映画感謝人ＧＨＭです。

　今回はビリー・ワイルダー監督の「情婦」に

　感謝を捧げようと思います。

　

　アガサ・クリスティーの小説「検察側の証人」を

　もとにして作られた本作は

　法廷劇と残酷喜劇の魅力が一体となったサスペンス映画であります。

　陰謀とユーモアがバランス良く配合されたストーリー

　品格とスピード感を兼ね備えたサスペンス演出

　俳優・女優陣の「言葉と表情の限りを尽くした熱演ぶり」が一堂に会することによって生成された

　「非情にして喜劇的な頭脳戦」は

　私に「暴力とは異なる形の恐怖と興奮」に満ちあふれた時間をもたらしました。

　（どんでん返しの連打から「変化球的な勧善懲悪」へと着地する終幕が

　後味の悪さと爽快感を同時に発生させている点も見逃せません。）

　まさに「戦闘系の映画とは異なるアクションに満ちた」ミステリー映画と呼ぶにふさわしい

　作品であると言えるでしょう。

　俳優・女優陣の個性を「鑑賞者を欺く罠」として利用するしたたかさと

　司法に対する意地悪な目線が背徳的な快感を呼び起こす本作と

　生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を！！！。