映画に感謝を捧ぐ! 「ミッドナイトクロス」

 映画感謝人GHMです。

 今回はブライアン・デ・パルマ監督の「ミッドナイトクロス」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 交通事故の裏側に潜む陰謀に迫る

 音響効果技師の運命を描いた本作は

 映画作りの内幕と「巻き込まれサスペンスの王道」が

 一体となった異色作であります。

 人間の持つ「覗き見・盗み聞きによって好奇心を満たしたい」という衝動と

 犯罪捜査映画の王道的スタイルを巧みに融合させたストーリー

 サスペンス映像技の限りを尽くした演出

 上品にして怪しげな音楽が一堂に会して展開される「音感探偵劇場」は

 私に「知的好奇心と覗き趣味が紙一重の存在である」事と

 「物事は見せ方・聞かせ方によって様々な形に変化する」事を

 再認識する時間をもたらしました。

 (悪役に扮したJ・リスゴーの七変化ぶりと

 哀愁と狂気の入り交じった幕切れが作品世界の味わいを

 高めている点も見逃せません。)

 本作こそ「変態性とサスペンス技法が結集した」作品であると言えるでしょう。

 テクノロジーと知識を生かした捜査法と

 勧善懲悪的でありながらも「正義が支払う代償」の重みから目を背けない精神によって

 後年の犯罪捜査映画&TVドラマに対する「道しるべ」となった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。