映画に感謝を捧ぐ! 「グッドモーニング、ベトナム」

 映画感謝人GHMです。

 今回はバリー・レビンソン監督の「グッドモーニング、ベトナム」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1965年のサイゴン(現在のホーチミン)における実話を

 もとにして作られた本作は

 ドタバタ喜劇性とメッセージ性がバランス良く配合された実話系映画であります。

 喜劇の仮面を被りながら「戦争&軍隊の理不尽」と

 「アメリカ流外交の傲慢さ」が生んだ悲劇を白日の下にさらしたストーリー

 (「軍上層部の偽善にブラック・ユーモア精神で立ち向かう主人公」をヒーロー化せず

 戦争の現実に翻弄される「無力且つ無知な存在」として描く冷徹さも印象的です。)

 

 叙情的な音楽と戦闘&暴力場面を絶妙のタイミングで融合させることによって

 「戦争の空しさ」を写し出す逆説的な演出法

 主演男優R・ウィリアムズの「気合い入魂の熱弁ぶり」と時折見せる哀しげな瞳が一堂に会して

 「ベトナム戦争の一面」を世に示す光景は

 私に「過激な戦闘シーン・残酷描写に頼ることなく反戦メッセージを放つこと」が

 可能であることを示してくれました。 

 (時折見せる自然美や米兵&テロリスト役に庶民的なムードを持った

 俳優を配するキャスティング・センスが

 作品の皮肉と悲劇性を高めている点も見逃せません。)

 まさに「顔で笑って心で泣く」ベトナム戦争映画

 であると言えるでしょう。

 全身全霊を込めた悪ノリによって

 理不尽な戦いに赴く人々に「一時の癒し」を与えた主人公に心打たれると同時に

 アメリカ人とベトナム人を引き裂く「精神の壁」の残酷さが心に突き刺さる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。