映画に感謝を捧ぐ! 「マッド・シティ」
映画感謝人GHMです。
今回はコスタ・ガブラス監督の「マッド・シティ」に
感謝を捧げようと思います。
博物館での立てこもり事件に巻き込まれた
ニュース・キャスターの運命を描いた本作は
マスコミの「毒性」をクールにえぐり出す過激作であります。
博物館を解雇された男の「衝動的行動」が
TV局の策略と大衆心理によって「凶悪犯罪」となってしまう光景を
映画的盛り上げを最小限にとどめた演出法によって描くという試みは
私に、自分自身に潜む「他人の不幸を娯楽としてとらえてしまう本能」と
「他者の情報に踊らされ、自分で考えることを失ってしまう」恐怖を
目の当たりにする感覚をもたらしました。
(女性スタッフの「マスコミ人としての成長ぶり」が
作品の苦味とメッセージ性を高めている点も見逃せません。)
まさに「情報化社会が生み出したモンスター」の恐怖を
世に知らしめんとした作品であると言えるでしょう。
「報道はいかなる悲劇もエンターテインメント&ビジネスの道具に変えてしまう」
「我々は外部からの情報に操られやすい動物である」ことを
残酷極まる形で示した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。