映画に感謝を捧ぐ! 「羊たちの沈黙」

映画感謝人GHMです。

 今回はジョナサン・デミ監督の「羊たちの沈黙」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 トマス・ハリスの同名小説をもとにして作られた本作は

 背徳の美に彩られた犯罪捜査映画であります。

 安楽椅子探偵映画・癒し系映画・異常心理劇を融合させたかのようなストーリー

 「登場人物のアップ」・音楽・効果音を巧みに操ることによって

 会話劇を心理戦の領域にまで高めることを可能にした技術力

 宗教画的に表現された残酷描写が一堂に会する光景は

 私に「ジャンル融合型映画」の醍醐味と

 「悪を追うことによって悪に心理を蝕まれる」恐怖を同時体験する機会をもたらしました。

 本作こそ、サスペンスの伝統芸時代の空気を融合させることによって

 異常心理映画の新次元を切り開いた作品であると言えるでしょう。

 知性・紳士性・凶暴性を兼ね備えた「怪物」が

 若き捜査官を心理的に育成するという奇妙な状況が

 時間と共に「奇妙な快感」を呼び起こす本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。