映画に感謝を捧ぐ! 「遠すぎた橋」

 映画感謝人GHMです。

 今回はリチャード・アッテンボロー監督の「遠すぎた橋」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 コーネリアス・ライアンの同名ノン・フィクションをもとにして作られた本作は

 戦争大作の常識を揺るがした過激作であります。

 第2次大戦期の連合国イギリス&フランスの映画界が

 膨大なる人員・物資・場所を動員して

 「連合軍首脳部の失策がもたらした悲劇」を映画化するという

 壮大にして大胆な状況は

 私に「ヨーロッパ映画界の懐の広さ」と

 「最終的な勝利によってすべてが正当化される」歴史法則の非情さを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「スター映画」の形態を取りながらスターの存在感を抑制することによって

 「戦争における個人の価値」を暗示する手法を用いている点も見逃せません。)

 まさに「反英雄型戦争大作」と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 「史上最大の作戦」を反転させたかのようなストーリーによって

 戦勝ムードによって覆い隠された「歴史の暗部」を写し出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。