映画に感謝を捧ぐ! 「ゾンビ(1978年版)

映画感謝人GHMです。

 今回はジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ(1978年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 ショッピング・センターで展開される人間とゾンビの死闘を描いた本作は

 

 物心両面の恐怖をもたらす脅威のホラー映画であります。

 ゲーム感覚でゾンビと戦い、享楽にふける人々の姿が

 時間と共に「空しさ」へとつながっていくストーリー

 俳優・女優陣のクールな熱演と

 「同士討ちをしない・生前の習慣に従って動く」というルールの確立によって

 恐怖と親近感を兼ね備えた怪物となったゾンビ集団

 ショッピング・センターという場所の特性を最大限に生かした

 アクション&ブラック・ユーモアの数々

 恐怖と不快感をかき立てる音楽が一堂に会する光景は

 私に「ホラー要素と社会性が共存可能である」事

 怪奇恐怖の根源が「人間の内なる悪」にあるということ

 モンスター映画における「ルール遵守」の大切さを体感する時間をもたらしました。

 (希望と絶望が程よくブレンドされた幕切れが

 どんでん返しやハッピー・エンドとは異なる感覚を生成している点も見逃せません。)

 本作こそ「不条理文学型ホラー映画」の称号にふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 「死者によって生者を語る」ゾンビ映画の精神

 空間的制約を生かして作られた戦闘場面

 物質文明の暗黒面が融合することによって

 後年のホラー映画&アクション映画に対する道しるべとなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。