映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の報酬(1953年版)」

映画感謝人GHMです。

 今回はアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の「恐怖の報酬(1953年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  ジョルジュ・アルノーの同名小説をもとにして作られた本作は

 映画史上最大級の「陰性系スリル」に満ちたサスペンス映画であります。

 「ニトログリセリンを運ぶ男たちの物語」という仮面をまといながら

 人生の不確実性&理不尽さ・人間の心中における「天使と悪魔の戦い」

 資本主義&企業家精神の暗部をえぐり出したストーリーを

 冷徹なまでのクールさとささやかにして意地悪なユーモアを駆使して描くという試みは

 私に「冒険映画と近代社会の暗黒面を見せつけられる」感覚を

 もたらしました。

 (「ハリウッド的ハッピー・エンド」を逆手に取ったかのような幕切れが

 作品の苦味を高めている点も見逃せません。)

 まさに「純文学的道中サスペンス映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

娯楽性・社会性・文学性が絶妙のさじ加減で配合された本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。