映画に感謝を捧ぐ! 「アメリカン・ヒストリーX」
映画感謝人GHMです。
今回はトニー・ケイ監督の「アメリカン・ヒストリーX」に
感謝を捧げようと思います。
白人至上主義団体「DOC」の一員となった兄弟の
運命を描いた本作は
人類に科せられた「永遠の宿題」をえぐり出す過激作であります。
白黒とカラーを巧みに使い分ける技巧と
実録的な撮影法によって「冷熱合わせ持つ」映像を生み出した演出
言葉と肉体の暴力に満ちた物語でありながら
バイオレンスやホラーとは異なる恐怖を感じさせるストーリー
主演男優E・ノートンの「気合入魂の七変化ぶり」が一堂に会する光景は
私に、人類史上最悪の病原体「憎悪」の恐怖と
「環境によって人間が形成されていく」ことの尊さと恐ろしさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「純真さと不安定さが共存する」弟に扮したE・ファーロングの好演と
絶望と希望が混ざり合った終幕が
作品の重圧感を高めている点も見逃せません。)
まさに「実録と宗教映画の個性を合わせ持つ」
社会派映画であると言えるでしょう。
「憎しみの伝染性と空虚」・「愛の美しさと危うさ」・「万物は積み重ねによって形成される」
「人生の転機は逆境の中にある」ことを
冷徹かつエネルギッシュな形で世に知らしめた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。