映画に感謝を捧ぐ! 「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョン・ホッフ監督の「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 リチャード・ユネキスの小説「追跡」をもとにして作られた本作は

 攻撃力とユーモアに満ちた逃亡アクション映画であります。

 無軌道でありながらも憎めない魅力を持った男女3人組が

 

 頭脳と運転技術の限りを尽くして警官隊との「追いかけっこ」に挑む姿を

 道中劇&サスペンス風味で描いたストーリーと

 (「盗聴器」というアイテムを有効活用した作劇法となっている点も素晴らしいです。)

 破壊的でありながらも和やかな雰囲気を持ったカー・アクションが一体となって

 「爽快感の中に哀愁を宿す鬼ごっこ」を形成していく光景は

 私に「権力をからかう快感・カーチェイスの迫力・青春映画の苦味」を

 同時体験する機会をもたらしました。

 (説明台詞を最小限度にとどめつつ「主人公3人の過去」を写し出していく手法や

 奇襲的且つ非情な幕切れが

 

 作品に文学性をもたらしている点も見逃せません。)

 まさに「1970年代のアメリカを覆うが空気が生んだ」

 逃亡アクション映画であると言えるでしょう。

 CG満載の現代とは異なる「迫力」に満ちたアクションと

 アクション・コメディ的な持ち味を失うことなく

 「ハリウッド的倫理観&作劇法」に抗う精神が

 「勧善懲悪映画」とは異なる痛快さをもたらした本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。