映画に感謝を捧ぐ! 「存在の耐えられない軽さ」
映画感謝人GHMです。
今回はフィリップ・カウフマン監督の「存在の耐えられない軽さ」に
感謝を捧げようと思います。
ミラン・クンデラの同名小説をもとにして作られた本作は
文学性と風俗性が奇妙なバランスで配合された作品であります。
浮世離れした恋愛模様と冷戦時代のチェコ事情が融合することによって
生を受けた物語を
状況説明台詞をほとんど用いることなく描くという
大胆にして芸術的な挑戦は
私に「登場人物の内面&作品世界の裏側を想像しながら鑑賞する」時間を
もたらしました。
(「扇情的なエロティシズムに溺れることなく性描写を行う」手法や
格調高い音楽が「ある種の空しさ」を感じさせる作りとなっている点も見逃せません。)
まさに「ヨーロッパ絵画風味と歴史大作風味を感じさせる」
恋愛映画であると言えるでしょう。
祖国を取り巻く残酷な現実から目を背けるかのように
愛の日々を生きる男女の姿を
純文学的表現法で描いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。